【レポート】人気イラストレーター潤宮るかさんに学ぶ!デジタルクリエイターの働きかた#01
一般社団法人デジタルクリエイター協会(以下、DCA)の初めてのイベント開催となる今回。
『ボーイフレンド(仮)』『Project Layered』『戦国コレクション』などを代表作にもつ人気イラストレーターの潤宮るかさんのほか、
ディレクターなど発注側として、株式会社丸萬クリエイティブ ディレクター 林田麻由子さん、会場をご協力いただいた株式会社アクア 川上ゆりかさんをお迎えし、約40名の参加者の皆様とともに「人気イラストレーターに学ぶ!デジタルクリエイターの働きかた#01」を開催いたしました。
第一部では潤宮さんによる「個人事業主の働きかた」をテーマとし、第二部では「制作者×発注者の視点」をテーマとしたクリエイターと発注側によるトークセッション、そして第三部では潤宮さんによる「ライブペインティング」を行いました。
☆Special Thanks
司会・進行:フリーアナウンサー 三木恵さん
スチール撮影:フォトグラファー 畑上照夫さん
受付・誘導:杉田さん
会場協力:株式会社アクアさん
※お写真につきまして
当日会場にてアナウンスしておりますが、Web掲載のご協力ありがとうございます。集合写真以外は基本的に後ろ姿とお伝えしておりましたので、横顔などでお顔が映っている方につきましてはボカシを入れさせて頂いております。潤宮さんのお顔出しにつきましてはNGのためイラストで伏せさせて頂いております。
《第一部》「事業主デジタルクリエイターの働きかた」
- 自己紹介 ~イラストレーターになるまで~
- 新しい仕事を貰うには
- お得意様を作るには
- 事前アンケートへの回答(クリエイターに向けた内容のもの
クリエイターには、「具体的にどうすれば安定するのかのヒント」
発注側の方には、「個人事業主(フリーランス)と仕事する上でどうすれば円滑になるかのヒント」
その他、ご関心頂きご参加頂いた方には「普段見えないイラストレーターの舞台裏を楽しんでいただきたい」
とお伝えした上で、スタート。
1. 自己紹介 ~イラストレーターになるまで~
イラストレーターになる前はシステムエンジニアとして会社員だった潤宮さん。現在はキャラクターデザインやイラスト制作だけでなく、監修やキャラクター設定作成などもしているそうです。どのような経緯でイラストレーターとして個人事業主となったのか、お話いただきました。
現在の作業環境のお写真もスライドでご紹介いただき、「今朝撮ったばかりのホヤホヤです!」の言葉に会場全体で笑顔に^^
2. 新しい仕事を貰うには
案件をご依頼頂くため・獲得するために役立つ、潤宮さんご自身のTipsをご紹介いただきました。
それぞれのTipsにより発注して頂いた案件の種類(カードイラスト、雑誌、漫画連載、広報系イラストなど)も実際の経験を元にイラストも交えてお話しいただき、クリエイターがどのような案件を希望するかによっての対策やノウハウは、これまで潤宮さんご自身が培った経験によるものでとても勉強になります。
常にチャレンジすることや、自分だけでなく相手(クライアントだけでなくエンドユーザー)に喜んでもらうにはどうすればいいのか、ということを意識した制作をされているそうです。
3.お得意様を作る ~社会人マナーの大切さ~
ここでは「同じ担当さんから次の案件の声かけをしてもらうのに役立つTips」をご紹介いただきました。
社会人マナーだなんて…と、一見当たり前だと思われることもあるかもしれませんが、個人事業主のデジタルクリエイターの中でも特にイラストレーターは社会人経験がない方も多いのが実情だそうです。社会人にとって当たり前と思うことも、社会人経験のある方が学生だった時には知らなかったように、今も知らないままご活動をされている方もいます。
「同じ技術力・スキルであれば、あなたならどのようなクリエイターにお願いしたいですか?」
例えば最低限の敬語を使えたり、話していて心地の良い関係の方、そのような方と一緒に仕事をしたいと思うのではないでしょうか。
そんな差をつけるための強みの要素「人間力」のひとつが社会人としてのマナーであってもいいのではないか、とお話しくださいました。そのほか、多くの担当者さんとお仕事をしている潤宮さんならではの発注側が考える「依頼したいクリエイター像」についてもご紹介いただきました。
4. 事前アンケートへの回答(潤宮さん編)
参加お申込時に頂いた、事前アンケートの中から潤宮さん宛となるものをピックアップしご回答いただきました。
※発注側にも関わる内容につきましては第二部でご回答させて頂いております。
- 専業になるまでどのくらいかかったか
- イラストを描く上で一番大事にしていること
- 自由な発想やモチベーションを生み出す方法
- 体の構造 勉強法
- イラストの質を高める方法
- キャラクターデザインのやり方
- 壁に当たり落ち込んで描けなくなった期間はあったか ほか
多くのご質問ありがとうございました。
ご回答の一部をご紹介いたします。例えば体の構造の勉強法については潤宮さんが実際に使用している参考書のほか、体の構造・筋肉を知りたい時に使う模型を会場でご披露頂きました。どのような視点・意識で描くのか…というところにフォーカスして、潤宮さんは「参考書のこのポーズを描こう!」と勉強するのではなく、「こういう絵を描きたい」 から始めて、そのゴールのための手段として参考書や模型を活用しているそうです。その他にも様々なTips・ノウハウをご紹介いただきました。
最後に、潤宮さんが大切にしていることとしてお話しいただいたこと。
「新規依頼開拓と成長の為のチャレンジを続ける」
「誠実に対応しお得意様をつくる」
そのことによって、クオリティの向上と自ずと安定した収入・生活にも繋がるとお話しいただきました。
潤宮さん、ありがとうございました!
《第二部》「制作者×発注者によるトークセッション」
第二部では、潤宮るかさんに加えて制作者側としてDCA代表理事の細井英理華、発注者側として林田麻由子さん、川上ゆりかさんと共にトークセッションを行いました。ここでは司会進行の三木恵さんにファシリテーターとしても参加して頂きました。
(写真左から、三木さん/潤宮さん/細井/林田さん/川上さん)
まずはトークセッションテーマ「制作者×発注者の視点」から第一部で潤宮さんがご紹介したTipsに発注側視点を加えてのスタート。
「また依頼したいと思ってもらうには?」「喜ばれる一手間」などをクリエイター視点ではなく、発注者は実際にどう思っているのかお話しいただき、お互いの認識に違いがあるかどうかなどの生のご意見を伺えるのはトークセッションならでは。
その後、事前アンケートとして頂いていたご質問をお応えさせて頂きました。
- 個人で依頼を受ける方法
- どのような形式で依頼が来ることが多いですか?発注をする際、何を見て依頼することが多いですか?(TwitterやInstagram等SNS、HP・人づて紹介等)
- 具体的な仕事の取り方を知りたいです。
- 実際に個人で依頼をもらうようになったきっかけ・方法・気を付けていること(仕事をもらえるようになる前後)など
- 作風が複数ある場合の求められるものと描きたい優先順位について
- 暮らせるくらいの収入になるまでどのくらいかかりましたか?
- 生活の不安定を解消する方法
- 個人事業主になった際の技術の向上は具体的にどうされているのか?
- イラストの発注をかけたことがないため、スマートな発注の仕方を知りたいです。どうすれば要望が上手く伝わるのか、イラストレーターさんがやりやすい様にどうすればいいのかなど、具体的なポイントを知りたいです。
- 発注側とクリエイター間で発注内容の解釈のずれが起こらないように気をつける方法、あらかじめ確認しておいた方がいいことなどありますか?
- お仕事として描くときに何か必ず決めている事があれば知りたい。
- 単価UP年収UPを具体的に考える場合の対策は?
- 個人事業主として始めた頃はどれほどのお仕事を請けていたのでしょうか? ほか
沢山のご質問ありがとうございました!
これから生活を安定させたい方から、もっとお仕事を依頼してもらうには、スキルを磨くには、と向上心が高い皆様のご質問のほか、お金の話などリアルな実情を知りたいというご意見も多数お寄せいただきました。
時間の関係上、全てのご質問にお応えすることができず申し訳ございませんでした。潤宮るかさんをお迎えしたイベントは、今後も開催予定ですのでその際に是非お応えさせて頂きたいと思っております。質問したけれど回答されてなくてモヤモヤしています、という方は是非ご検討くださいませ。(今回ご参加頂いた方のリピート割などを検討中です)
今回は偶然にも女性の参加者が多かったため「この機会に!」と、同じクリエイター女性ならではの働きかたのお悩み(出産前後など)も直接会場でご質問いただき、既婚・ママ・独身である登壇者と共にトークセッションする場面もございました。女性としての先輩からのご意見は、とてもリアルで説得力があり、勉強になります。
会場でご質問して頂いた参加者の皆様、そしてご静聴頂いた皆様、登壇して頂いた潤宮さん・林田さん・川上さん、ありがとうございました!
《第三部》「ライブペインティングで知る・学ぶ」
第三部ではイベント用デモのキャラクター設定書を用意し、潤宮さんに実際にトライアルなど含めたキャラクタークリエイトをご依頼頂いた際の作業工程・構築方法を実演して頂きました。
今回潤宮さんはiPadとApple Pencilを使用して描かれるとのこと。
板タブと迷われておりましたが、せっかくiPadを液タブのようにして描くのであればと描いている様子をスマホからFaceTimeで映し出してみたりと、ライブ感満載。…しかし途中で画面共有方法がわからなくなってしまった潤宮さん。(天然ですか!かわいいです。※実際参加者アンケートでも同様のお声がありました^^)最後まで画面共有してお送りすることができず失礼いたしました。
※運営側としても今後はスムーズに画面共有できるように使用したアプリや共有方法も事前確認をしっかりさせて頂きます。
設定書によるキャラクターイメージは「絶対的王子様」。
描いている間も、「今はどういう考えでこういう風に描いている・塗っている」というような説明や、参加者の皆様からのご質問にもお応え頂きながらペンを進めていた潤宮さん。あっという間に描き進めていきます。
ご依頼頂く企業様によっても設定書は様々。
「まずはしっかり読み込んで、わからないところ、キャラクターを作り上げていく上で欲しいと思う情報は全て担当の方へご連絡してクリアにする」という潤宮さん。クライアントだけでなくエンドユーザーにも喜んでいただくキャラクターにするため、自分のイメージ・考えが求めている内容とズレていないかの確認はとても大切にしていることだとお話しくださいました。
スクリーンに映し出された等身大のようなイケメン!完成したキャラクターは、潤宮さんのTwitterで公開されております。
潤宮さんありがとうございました!
イベントにご参加頂きました皆様本当にありがとうございました!☺️拙い部分も多々あったかと思いますが、少しでもお役立て頂けたら幸いに思います🙇♀️皆様と直に交流できて、たくさん元気とやる気を頂きました…🙏✨ 王子はいつかペン入れまでしてみたいです😳 ありがとうございました❣️ pic.twitter.com/IjlU269bSI
— 潤宮るか@ultima (@lovecom000) 2017年8月12日
このイケメンキャラクターのペン入れなどは今後の企画に登場する可能性も…!?どのような形で実現するかはまだ未定ですが、潤宮さんとお披露目できる機会を創っていきたいと思っております。
是非今後のイベントについてのご要望などございましたら、お声を頂けますと幸いです。(ライブペインティングメインのイベントや、発注視点も取り入れたポートフォリオの作り方もというお声も頂いております。ありがとうございます!)
※潤宮さんによる作品添削をご希望でした皆様へ
当初、懇親会中に予定しておりましたがお時間の都合上、ご案内することができず大変申し訳ございませんでした。
潤宮さんよりまたの機会を設けられたら…とご進言頂いておりますので、何らかの形でご企画したいと考えております。
(その際は今回の参加者様を優先してご案内させて頂く所存です)
DCAは、今後も事業主クリエイターの皆様と共に「技術力だけでなく人間力も高めていく」ためにサポートする活動を展開していきます。
初めてのイベント開催・運営ということもあり拙い部分もあったかと存じます。皆様の温かいお言葉の数々に大変感謝です。
改めましてご参加頂いた皆様・ご登壇頂きました皆様・そしてご協力頂いた皆様、ありがとうございました!
DCAのイベント運営をお手伝いしてくださる有志メンバーを募集しております。
・DCAの団体活動理念にご賛同頂いている方
・DCAのイベントに参加して頂いた方で、会員(クリエイター会員もしくは一般会員)の方
「組織よりはゆるやかに、ひとりよりは心強く。」是非一緒にイベント運営をしてみませんか?
お問い合わせページよりお気軽にご連絡くださいませ。
ご協力頂きましたアンケートは今後の活動展開に活かさせて頂きます!誠にありがとうございます。
併せまして、「良かったことを書きたかったけれど、感想を書ける項目に気がつかなかった」というお声も頂いたことから、
下記にお名前不要のオンライン投書箱を設けております。(イベント直後の御礼ページでのご投書頂いた皆様、ありがとうございます!)
イベントについてのご意見・ご感想はもちろんのこと、今後してほしいイベント企画など、直接お話し頂いた想いも是非投稿して頂けますと幸いです。
皆様のお言葉、ひとつずつ大切に拝読させて頂きます。